大学生はよく聞くし知ってるけど大学院生っていったいなんなの?と思う方も多いと思います。
- 大学院生はいつも何しているの?
- やっぱり実験ばっかり?
- 授業もあるの?
- ゼミってどんなの?
と様々な疑問や不安をお持ちですよね。
現在大学生や高校生で大学院進学を考えている方に向けて、大学院生の生活リズムについて少しでも知ってもらえたら嬉しいです。
(※この記事は、国立大学機械系の大学院生(おりび)とその周りの友だちについて書いています。大学や学科、理系・文系などによっては異なるので予めご了承ください。)
理系大学院生の1日の生活を紹介します!
大学院生は大きく分けて次の5つを行っています。
- 実験
- データまとめ、論文調査
- 講義
- TA(ティーチングアシスタント)
- 修士論文や学会準備
順番に解説していきます。
大学院生の生活の大半は実験です
大学院生の生活で最も占める割合が多いのは実験です。僕の周りの大学院生の実験内容はこんな感じです↓
- 金属を磨いてピカピカにした表面を電子顕微鏡で観察する
- 試料にX線を当てる
- ポンプで水を流して流量を計ってポンプの性能を調べる
- 試験管に薬品を入れて合成する
- プログラミングして制御
これらはほんの一部ですが、学部生の時に行った学生実験の延長のような実験内容です。
しかし大学院生の実験が学部生と決定的に違うことが...
それは、思い通りの結果が出ることは稀であるということ。学部生の時の学生実験はある程度、実験結果が予想できてスムーズに実験が終われましたが、大学院生はそうはいきません。
未だ世界で誰もしていないような新規性のある研究をしているので、教授も答えを知っていません。(それが本来の研究・実験の意義ですが…)
それに加えて、自分で実験内容や実験条件を決めます。そして結果がでないと修士論文が書けず卒業できない…
厳しい世界です。
しかもその実験の合間を縫ってデータをまとめたりゼミ(勉強会)の準備をしたりします。なので基本的に大学院生は大忙しです。
データまとめや論文調査などのデスクワーク
実験データをグラフにして物理現象の解明や根拠を考えます。予想通りの実験結果が出ればいいのですがそうなかなかうまくはいきません。
大半は予想外の実験データが出てきますので、先生や先輩と原因を議論して自分の中で整理してまとめます。
そのほか週1回のゼミで発表するために海外の論文を読んで要約も。
僕は英語が苦手なので苦労しました…いつもグーグル先生のお力を借りています笑
大学院生は意外にも講義が多い
大学院生は実験以外にも講義があるんです!
これがなかなかしんどい…多くは大学院1年(M1)の前期で取りきろうとするので前期に7~10個ほど授業が入ります。週に7~10個ほど授業があって、それ以外の時間は自分の研究を進める…
しかも授業ではレポートが課せられる場合があるので、実験の合間を縫ってレポートも仕上げなければいけません。M1前期は結構ハード。
TA(ティーチングアシスタント)は時給が発生する
研究室の教員の担当授業にもよりますが、授業のお手伝い(TA : Teaching Assistant)をすることがあります。
わずかながら時給は発生しますが労働の割に儲かりません。
学部生の時に授業や学生実験のお手伝いしていた学生がいましたよね。彼らです。
その他:修士論文や学会の準備
大学院生は実験や授業以外にもすることはたくさんあります。
M2の12~2月シーズンは修士論文・発表の準備をします。最後の追い込みで実験をたくさんする人も。
国際学会の準備をしたり後輩の実験指導などやることは山のようにあります。
忙しい日の大学院生ってどんな生活?
それでは忙しい日の大学院生の生活リズムを見ていきましょう。
日によって実験の内容変わるので一概には言えませんが1番忙しいときをご紹介します。
7:30 起床&朝食
8:00 登校
8:15 実験の準備(ボタン押すだけなので5分で終わる)
8:30 授業開始(90分授業)
10:30 測定スタート(約1時間)
11:30 昼食
13:00 授業開始(90分授業)
14:30 ゼミ用の資料準備&講義レポート作成
16:00 実験スタート(30分準備後4時間放置)
18:00 軽食
20:00 実験終了&片付け
21:00 帰宅
朝早いのに夜遅いです。
大学院生は普段、
- 実験室
- 研究室
- 講義室
を行ったり来たりしています。
空き時間は休憩がてらYouTubeかAmazonプライム。
うまいこと効率よく全てのことをこなしていかないといけないって感じですね。
僕が所属する研究は各自がおのおので進めていく方式ですので、夜型の人は昼過ぎに来て次の日の朝に帰るっていう人もいます。
逆に朝方の人は、朝早くから実験して、やること終わったら昼過ぎに帰るという人もいます。
暇な日の大学院生ってどんな生活?
それでは続いて、講義がなくゼミも休みで超暇な日をご紹介します。
10:00 起床
10:30 登校
11:00 メールチェック、ネット
11:30 昼食&休憩
14:30 実験スタート(約1時間)
15:30 バイトのため帰宅
授業やゼミがなく実験が立て込んでいないときの大学院生は本当に暇です。
昼過ぎに来て滞在時間3時間ぐらいの時もあります。この天国のような生活は1週間で1回ほど訪れます。
1年で最も忙しいのっていつ?
M1M2のトータル2年間で見ると、
- M1の11~12月の中間発表
- M2の12~2月の修士論文
- 就職活動
が最も忙しくなります。
修士論文書いてプレゼン用のスライド作ってっというのは非常にハード。
しかも修士論文はおよそ40枚~100枚ほど書きます。
(枚数は研究室によりますが…僕は80枚ほど書きました)
学生実験のレポートの5~10倍くらいしんどいでしょう。
あと、曜日や実験内容によって毎日の忙しさの度合いが違い過ぎるのが逆にしんどいですね。
大学院生は真夜中まで実験してるって本当?
大学院生は真夜中まで実験しているというのは、半分ほんとで半分嘘です。
- 朝来るのが遅くて夜まで実験しているパターン
- 次の日に回してもいいけど次の日は一日ゆっくりしたいから今日夜中まで頑張るというパターン
- ただ夜遅くまで研究室でプライムビデオ見ているだけのパターン
もあります。
その人の生活スタイルにかなり依存します。
研究室が夜までやっている本当の理由は動画にまとめましたので、僕のYouTubeをどうぞ!
土日は休みあるの?
大学院生の休みの日はあるのかというのも、半分ほんとで半分嘘です。
土日頑張ればその分平日休んでもいいのでまとめていっきに頑張る人もいます。特に土日も来いという強制はありませんが、僕はもう平日と休日の区別は無くなりました笑
大学院生の生活まとめ:忙しいときと暇なときの差が大きい
大学院生活をまとめると、忙しい時はブラック企業並みに忙しいけど暇なときは昼寝している猫ぐらい暇。
忙しい日と暇な日の差がほんと激しい。うまくスケジュール調整して要領よくこなせばバイトや趣味なども充分できると思います。
今回は理系大学院生の1日を忙しい時と暇な日に分けてご紹介しましたが、
- 大学
- 学科
- 研究室
によって大きく変わります。
なので研究室選びは今後の大学院生活が充実するかどうかを決める大事な選択なのでよく情報収集してください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。