この記事は、
◆材料力学が苦手。
◆台形型のはりの問題の解き方が分からない。
◆SFD、BMDってなに?
というあなた向けの内容です。
ぜひ、図解多めでステップ毎の丁寧な解説を見ながら材料力学の勉強をしていきましょう!
材料力学の台形荷重のはりの問題って?
材料力学のはりの問題にはいくつか種類があります。
例えば、集中荷重、等分布荷重、三角分布荷重や台形分布荷重などがあります。
その中でも 台形分布は最も難易度が高いです。
台形分布が解ければはりの問題は制覇したようなものなので気合を入れて頑張っていきましょう!
材料力学のはりの解き方(台形荷重)
今回は、↑のような台形分布の荷重がかかる片持ち梁の問題の解き方をステップ毎に丁寧に解説します。
合計5つの重要なステップにまとめました。この5つの手順に従って解説していきます。
①板の左端を原点として、右向き正の軸[m]をとる
②刀でおもりを切って仮想的な断面を作る
③台形荷重を等分布荷重と三角荷重に置き換える
④おもりについて、単位長さあたりの重量-距離のグラフを書く
⑤仮想的な断面の✖印にかかる力とモーメントを考える
それでは、この5つの手順に従って解いていきましょう!
はりの台形荷重を解く時のステップ①:板の左端を原点として、右向き正の軸[m]をとる
はりの問題を解く時は毎度おなじみの考え方ですね!
板の左端を原点として、右向き正の軸[m]を取ると考えやすいですよ!
はりの台形荷重を解く時のステップ②:刀でおもりを切って仮想的な断面を作る
ステップ②では、刀でおもりを切って仮想的な断面を作りましょう。
点Aから点Bの間ならどこを切っても構いません。
なぜならば、点Aから点Bの間ならどこを切っても同じおもりの形(相似な形)になるからです。
上の図の通り、どこを切ってもおもりは台形の形をしていますね。
続いて、はりの台形分布の問題を解く時に最重要であるステップを解説します。
はりの台形荷重を解く時のステップ③:台形荷重を等分布荷重と三角荷重に置き換える
台形荷重を等分布荷重と三角荷重に置き換えて考えていきましょう。
いきなりそんなことを言われても難しいと思いますので、なぜ等分布荷重と三角荷重に置き換えるのかを説明します。
台形荷重を直接解くには↓の2通りがあります。
◆積分を使って解く
◆台形の重心を求めて解く
正直、できることなら積分使いたくないですよね。なので今回は積分を使う解き方は却下ですw
2つめの台形の重心を求めて解くという方法もありますが、台形の重心を求めるには少し頭を使わないといけないのでこちらも却下ですww
できるだけ式が簡単で、今まで習った知識で解ける方法を解説したいと思います。
台形を長方形と三角形に分ける
この考え方を使えば必ず台形分布は解けます。
なぜなら、長方形(等分布荷重のはりの問題)と三角形(三角分布荷重のはりの問題)は既に解けるようになっているからです。
もしも等分布荷重のはりの問題と三角分布荷重のはりの問題の解き方忘れてしまったという方はこちらからぜひ先に復習してみてください。
それでは、台形を長方形と三角形に分けた図を下に書きます!
見たまんまですね。台形を横に切り分けて2つのおもりに分けました。
ここまでくれば後は、簡単です。
集中荷重の大きさ→三角形のおもりの面積
集中荷重の位置→全体の1/3の位置おもりの全重量(×長さ)が、板の中心に集中荷重としてかかると考える
三角荷重と等分布荷重の重要ポイントを意識して、ステップ④で解いていきましょう。
はりの台形荷重を解く時のステップ④:おもりについて、単位長さあたりの重量-距離のグラフを書く
等分布荷重はさほど問題ではないので、まずは三角荷重を解くことだけを考えます。
三角荷重に注目して、横軸は距離[m]、縦軸は単位長さあたりの重量[kN/m]というグラフを書きましょう。↓
おもりの横幅は2[m]ですのでグラフの横軸のmaxも2[m]ですね。
問題は縦軸です。
三角形だけに注目すると、左端(点A)での三角形の高さは0[kN/m]、右端(点B)での三角形の高さは5-2=3[kN/m]ですね。
軸のmaxを5[kN/m]ではなく3[kN/m]にすることに気を付けましょう。
ここまでできれば後は最終ステップのみです。
はりの台形荷重を解く時のステップ⑤:仮想的な断面の✖印にかかる力とモーメントを考える
ステップ⑤では、三角荷重と等分布荷重をそれぞれ矢印(集中荷重)に置き換えます。
↓のような矢印2つに置き換えられますね!
もしも等分布荷重のはりの問題と三角分布荷重のはりの問題の解き方忘れてしまったという方はこちらからぜひ復習してみてください。
長方形(等分布荷重)の重量は、[kN]で表されますね。単位が[kN]であることに気を付けてください。
同様に考えて三角形(三角分布荷重)の重量は、[kN]で表されますね。こちらも単位が[kN]であることに気を付けてください。 は三角形の相似から算出しました。底辺がのときの高さを示します。
ここまで理解できれば終了です。↑の図を見ながらSFDとBMDをサクッと書いていきましょう。
材料力学のはりの問題のメイン:台形荷重のSFDとBMDグラフを書こう!
台形荷重のSFDのグラフの書き方
SFDのグラフを書く時のポイントをもう一度まとめました。
・横軸は原点からの距離[m]
・縦軸はせん断力[N] (上向き正)
↑の図の2つの矢印によるせん断力を求めていきます!
したがってSFDグラフは以下のようになります。
台形荷重のBMDのグラフの書き方
横軸は原点からの距離、縦軸は曲げモーメントとしてください。
そこでSFDと同じ注意点ですが、縦軸は上向きを正としてください。
上からの荷重なので、曲げモーメントはマイナス符号になります。気を付けてください。
材料力学のはりの問題まとめ
いかがだったでしょうか?
台形の分布荷重の解き方は理解できたでしょうか?
はりの問題の中で、台形分布の問題がかなり難易度高めです。
ですので、台形分布の問題が解ければ自信を持ってください!
材料力学の公式集や、不静定問題の解き方を丁寧に解説した記事も作りました。ぜひついでに勉強しましょう!
また、解説してほしい材料力学の問題がありましたらFollow @OribiStudyのDMでご連絡ください。ありがとうございました。