今回は、剛体板や棒が3本登場する不静定問題を解いていきます。
◆材料力学が苦手。
◆不静定問題は見るだけで吐き気がする
◆問題のイメージすらできないので式すら立たない。
⇧の内、一つでも当てはまったら以下の記事を読んでいきましょう。30分でややこしい不静定問題が解けるようになります。
それでは頑張って材料力学の勉強をしていきましょう。
ちなみに今回解説する問題は、参考書のp.23の5.3の問題を解説します。
材料力学の不静定問題
それではさっそく、難しめの不静定問題を解いていきましょう。
剛体板や棒が3本も出てきてかなりイメージしずらい問題となっています。
しかし、おりびのブログでは変形前と後のイメージ図を独自で作り解説しますのでかなりイメージしやすくなっています。
気負わず頑張っていきましょう。
今日は参考書「演習 材料力学 [新訂版]」のp.23の5.3の問題を解いていきます。問題文は以下です。
上の図のような断面積、縦弾性係数を有する3本の棒を剛体板で上、下を固定するとき、棒2が1、3よりだけ長く作られているとすれば、各棒にはどのような応力が生ずるか。
それではこの問題をステップ毎に解説していきます。
ちなみに、この問題と酷似した問題も解説していますので、よかったらこっちも勉強していってください。⇩
材料力学の不静定問題!よく出る不静定問題を4つのステップ毎に解説 - おりびのブログ
※⇧の問題解説は元の棒の長さが違うのと、外力があるかないかが異なります。
材料力学の不静定問題を解く4つの重要ステップ
材料力学の内部応力を解くために、次の4つの手順に従って説明していきます。
この4ステップで必ず不静定問題は解くことができます。
②それぞれの丸棒の縮んだ量を考える
③縮んだ量について等式を立てる
④それぞれの応力を計算する
この4つの手順に従って解説していきます。
材料力学の不静定問題の解き方①:力のつり合い式を立てる
材料力学解く際にあるあるの手順ですね。まずはとりあえず力のつり合い式を立てましょう。
それではさっそく変形前と変形後の図を書いてみます。こんな感じですね⇩
⇧の図は、力が一切かかっていない変形前の図です。
※⇧の図は分かりやすくするためにかなり大げさに描いています。本当は1mmよりも小さい隙間しかありません。
この状態から部材1が伸びて、部材2は縮んだと考えましょう。
左の剛体板が右に移動して部材1と部材3が伸びた図がこちらです。⇩
どの長さが、、 なのかしっかりと把握しましょう。
部材1,3には反力が、部材2には反力がかかります。こんな感じです⇩
よって、力のつり合い式を立てると、、、
力のつり合い式までは立てることができたでしょうか?
ポイントは、外力がかからないという点です。
こちら⇩の問題では外力がかかっていたのですが、今回はとしかありません。
外力がかからないことに要注意です。
材料力学の不静定問題!よく出る不静定問題を4つのステップ毎に解説 - おりびのブログ
余談ですが、これまでの↑の図を見て灰色の四角形が「剛体板」と「剛体壁」になっていることに気づいたでしょうか?
★剛体「壁」は動かない
★剛体「板」は動く
この違いは知っておくと戸惑いが減ります!ぜひ覚えといてください。
ステップ②ではそれぞれの部材の縮んだ量を求めていきますよ。
材料力学の不静定問題の解き方②:それぞれの丸棒の縮んだ量を考える
今から、部材1,3と部材2の変形量をそれぞれ求めていきます。
部材1の伸びた量を、部材2の縮んだ量をとしましょう。
伸び縮みした量を求める公式を覚えているでしょうか?
↓
↓
※「長さ」は元の棒の長さのことを言います。変形後の長さではありませんよ。注意してください。
では、もう一度↓の図を見ながらとを求めていきましょう。
間違いやすいポイントは、の「長さ」です。
部材2の元の長さはではなくです。ここだけ間違えないように注意しましょう。
次のステップではとの関係式について考えていきます。
材料力学の不静定問題の解き方③:伸び縮みした量について等式を立てる
いきなりとの関係式を立てるのは難しいので、まずはそれぞれの部材の変形前・変形後の長さを考えます。
もう一度図を見ながら、変形前・変形後の長さに注目してみましょう。
◆部材1 :
◆部材2 :
では次に、変形後の長さから変形前の長さを引いて変形量を求めましょう。
↓のようになりますね。
◆部材1 :
◆部材2 :
よって、部材1の変形量はと等しく、部材2の変形量はと等しくなりますね。
なので、この通り変形量に関する式を立てると、、、
⇧の式をとについて整理しましょう。そうすると以下の式になります。
ここで反力の分母と、反力の分母が邪魔ですよね。もし分母が だったら計算が楽なのに…
ここで朗報です。
と近似してOKです。
もOKです。
めっちゃ楽ですよね。
↑のように近似してもよい理由を述べます。
をで無理やりくくると、
そして、に対してはかなり大きな値です。例えばこのくらいの寸法のイメージです。⇩
は、はくらいとすると、
となりますね。
が4個も続きます。材料力学は基本、有効数字3桁ですのでが4個も続く場合はほぼとみなしてよいというわけです。
ですので近似が成立して、となります。
同様の理由でもでくくると、となることが理解できると思います。
そこで、とに対して近似を適用すると、、、⇩
※は近似できません。どちらも同じくらい小さい値なので。
それでは近似したとを⇩の式に代入すると、、、
この⇧式をで約分してについて整理しましょう。
そうするとこんな感じです⇩
材料力学の不静定問題の解き方④:それぞれの応力を計算する
あとはもう簡単ですね。部材1,3と部材2に関して応力を求めていきましょう。
応力を求める式はこちらです。
もし⇧の式を忘れていたらこちらから公式をチェックしましょう。
【材料力学の重要公式】材料力学の単位を取るために必ず覚えたい公式集 - おりびのブログ
最後の代入は自分でやってみてください。を代入するだけです。
材料力学の不静定問題まとめ
今回は⇧の参考書「演習 材料力学 [新訂版]」のp.23の5.2の問題を解説しました。
材料力学でよく出てくる不静定問題中の内部応力についてでした。
伸び縮みした量について等式を立てれたら後は簡単ですね。
長さを近似していい理由もしっかりと理解しましょう。
不静定問題以外にもはりやねじりなど20問以上の問題を解説しています。
ぜひ他の問題も勉強していってください。
また材料力学を勉強する上でおすすめの参考書を2冊ご用意しました。
「マンガでわかる材料力学」は、kindleバージョンもあって個人的におすすめ。iPadとの相性も◎
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また、解説してほしい材料力学の問題がありましたらFollow @OribiStudyのDMでご連絡ください。ありがとうございました。