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線膨張係数の計算の手順を解説します【熱膨張した時の応力?線膨張係数とは?】

今回は、鉄道のレールが熱膨張した時に生じる応力を求める問題を解いていきます。

 

◆材料力学が苦手。

◆熱膨張するとか意味分からない。

◆線膨張係数ってなに。

⇧の内、一つでも当てはまったら以下の記事を読んでいきましょう。10分で熱膨張の問題は解けるようになります。

それでは頑張って材料力学の勉強をしていきましょう。

 

        

         ちなみに今回解説する問題は、⇧の参考書「演習 材料力学 [新訂版]」のp.23の5.2の問題を解説します。

 

   

 

線膨張係数の計算をしてみよう

線膨張係数 計算

今回は参考書「演習 材料力学 [新訂版]」のp.23の5.2の問題を解説します。問題文は以下です。

長距離区間の両端で鉄道のレールを溶接した。このときの気温が15℃であったとし、気温が40℃にまで達したときのレールに生じる応力\sigmaを求めよ。ただしレールの縦弾性係数E207GPa、線膨張係数\alpha1.12×10^{-5}/℃とする。

今回は、この線膨張係数の問題をステップ毎に解いていきます。

まずは線膨張係数の復習から!

線膨張係数とは何か

線膨張係数 計算

まずは線膨張係数の復習からしましょう。

線膨張係数とは、温度を1℃上昇させた時の物質の長さの増加量と、もとの長さとの比を表します。

ここでちょっと引っかかりませんか?

1℃温度を上げたくらいで物体は伸びたりしているようには見えませんよね。

しかし実際は、例えば1mの鉄棒を1℃温度上昇させると数μmだけ伸びているということです。

温度を1℃上げたくらいでは、物体はほとんど変化していないように見えるため、線膨張係数は非常に小さい値となるのです。

※例えば炭素鋼の線膨張係数は、1.12×10^{-5}/℃です。10^{-5}を付け忘れないようにしましょう。

ちなみに温度上昇によって物体が伸びる時、物体の太さは関係ありません。

元の物体の長さと温度差と線膨張係数だけで決まります。

線膨張係数の計算問題を解くための3つのステップ

 

それでは問題を解くための重要なステップを見ていきましょう。

重要ポイント

①使う3つの関係式を書きだす

②式を整理する

③数値を代入する

今回はシンプルに3つのステップしかありませんのですぐ解けますよ。

随時間違いやすいポイントを説明します。

線膨張係数の計算ステップ①:使う3つの関係式を書きだす

熱膨張した時に応力を求める問題では次の3つの式しか使いません。

この基本の3つの式をしっかりと書き出せるようにしましょう。

重要な3つの式

\lambda=l×\alpha×ΔT・・・①

\varepsilon=\displaystyle \frac{\lambda}{l}・・・②

\sigma=E×\varepsilon・・・③

   

線膨張係数の計算ステップ②:式を整理する

今回の問題は応力\sigmaを求めるので、③式を変形していきます。

③式の\varepsilonに②式を代入しましょう。

そうすると、以下の式になりますね。

\sigma=E×\displaystyle \frac{\lambda}{l}・・・④

  ④式の\lambdaに①式を代入してみましょう。

そうすると以下のようになりますね。

\sigma=E×\displaystyle \frac{l×\alpha×ΔT}{l}

=E×\alpha×ΔT・・・⑤

この⑤式を次のステップで使います。

※それぞれのギリシャ文字の意味が分からないという場合はぜひこちらの材料力学の公式をまとめたページから復習してみてください。

【材料力学の重要公式】材料力学の単位を取るために必ず覚えたい公式集 - おりびのブログ

線膨張係数の計算ステップ③:数値を代入する

最終ステップです。

次に⑤式に数値を代入して答えを求めましょう。

⑤式で登場するギリシャ文字は、縦弾性係数(ヤング率)Eと、線膨張係数\alphaと温度差ΔTですね。

全て問題文に書かれているので数値を代入してみましょう。

\sigma=E×\alpha×ΔT

=(207×10^{9})×(1.12×10^{-5})×(40-15)

=5.79600×10^{7}

=58.0MPa

有効数字3桁で答える方がきれいでいいですよね。

=0.0580GPaと答えてもいいですが、少数が多いと見にくいのでできればMPa(メガパスカル)で答えてください。

ここで、この問題の最大の注意点を紹介!

最終的な求めたい答えを=58.0MPaとしたらバツになりますよ。

皆さん、なぜバツになるか分かりますか?

正しい答えは=-58.0MPaです。マイナスを忘れずに。

なぜマイナスを付けないといけないかというと、このレールは溶接させていて拘束されているはずなので、全く動きません。

なのに温度上昇で物体は伸びようとするので、その分圧縮の応力がかかったということになります。

圧縮応力なので、マイナスを答えにつけないといけません。今回の問題の最大の引っ掛けポイントでしたよね。

     

線膨張係数の計算問題のまとめ

線膨張係数 計算

材料力学の線膨張係数の問題は解けるようになったでしょうか?

もう一度重要事項をまとめますと、

重要ポイント

①使う3つの関係式を書きだす

②式を整理する

③数値を代入する

この3つのステップ通り考えれば必ず熱膨張の問題は解けます。

3つのステップを理解したらあとは演習あるのみです。何度も何度も問題を解いて復習していきましょう!

こちらの参考書「演習 材料力学 [新訂版]」は材料力学の問題演習に最適ですので、ぜひ他の問題を解いてみてください。僕もずっとこの参考書と教科書を使って勉強していました。

材料力学のいろいろな分野の問題についても解説をまとめてあります。よろしければこちらもご覧ください。

また、解説してほしい材料力学の問題がありましたらのDMでご連絡ください。ありがとうございました。