僕は今、機械系の大学院2年生ですが、高校生のとき進路選択するにあたって不安がありました。
- 大学は工学部にしようかな?
- 機械工学科ではどんな勉強をするの?
- 機械工は実技とか多いのかな?
機械工学科に興味あるという高校生のあなた、機械工学科で学ぶ具体的な勉強内容はもちろん知らないと思います。
当然僕も高校生のころは機械工学科の勉強内容はほとんど知りませんでした。
※小学校の図工の授業が好きだったので何となく工学部機械工学科に進路を決めました笑
そこで今回は経験談から、工学部機械工学科では具体的にどのような勉強をするかをまとめています。
- 工学部機械工学科ではモノづくりを習います
- 機械工は4つの力学について学ぶと知っとけば大丈夫!
- 4力以外にも幅広い分野の勉強をするよ
- 機械工学科は実習もあるよ!
- 機械工学科のイメージ・勉強内容をまとめると
工学部機械工学科ではモノづくりを習います
工学部の中でも機械工学科はざっくりいうとモノを作るための学問です。
具体的にいうと、普段の生活で何気なく使っている、
- 自転車
- 自動車
- エレベーター
- 電車
- 飛行機
などは機械工学科出身のエンジニアの手によって作られています。
つまり世の中から機械工学科がなくなると、ほとんどのモノがなくなることでしょう。機械工学科は地味ですがなくてはならない学問なのです。
機械工は4つの力学について学ぶと知っとけば大丈夫!
高校の理科では生物・化学・物理が選択であったと思うのですが、機械工学科では物理の中の力学を極めることになります。正直、生物や化学はほとんどしません。
とりあえず高校生の時点では、機械工は4つの力学を勉強するってことを頭に入れておいてください。下記の4つを合わせて「4力(りき)」と言います。
- 熱力学
- 材料力学
- 流体力学
- 振動工学(機械力学)
4力はどこの大学に行っても必ず学びます。それでは順番に詳しく見ていきましょう。
※4力については僕のYouTubeでも解説しています。
熱力学
熱力学では、高校で習ったボイル・シャルルの法則や、ピストンの等温変化の発展的なことを勉強します。
自動車を運転している時エンジン内は数百度になりますし、飛行機やロケットの表面は空気の摩擦や断熱圧縮により超高温に。
高温状態ではモノは曲がりやすくなったり壊れやすくなったりしますので、高温でも安全なモノを作るために熱力学を学びます。
材料力学
材料力学は、モノに力を加えたときに壊れないかどうかを考える学問です。
例えばエレベーターを吊るしているワイヤーは切れたりしませんよね。あれは材料力学を使ってワイヤーが切れないことを計算して安全であることを確かめているからです。
世の中の乗り物や機械が壊れないかどうかは人の安全に関わることなのでモノづくりでは非常に重要なお話。
ですので機械工学科では材料力学を深く学びます。
材料力学については詳しい解説記事ありますので、興味があったらぜひ。
流体力学
流体力学では、空気や水、熱などの流れを計算する学問です。
聞いたことはあるかもしれませんが、なかなかイメージがわきにくいかも。
- 扇風機の羽の形状
- 水道管を流れている水
- 自転車を漕いだ時に感じる空気抵抗
などは、流体力学が関係してきます。
例えば、自転車や自動車を運転している時、空気が抵抗となり進むのを邪魔してきますよね。その抵抗を減らして効率よくモノを動かすために流体力学を勉強します。
流体力学を勉強すると、なんで飛行機は空を飛べるのかが分かって楽しいですよ笑
振動工学(機械力学)
振動工学は自動車の乗り心地や安全性に関係します。高級な車ほど振動や揺れが少ないって言いますよね。
車の振動を和らげられるのは、車の下についているばねやダンバーと呼ばれるもので振動を吸収しているからです。
振動工学では高校生で習った運動方程式や力の釣り合いの応用を勉強していきます。
4力以外にも幅広い分野の勉強をするよ
数学
先ほど紹介した4力は、数学を使うことで解くことができます。
数Ⅲで習った積分はもとより大学で習う数学を駆使して4力の問題を解いていきます。
つまり機械工学科での数学立ち位置は、4力を解くためのツール。
数学が分からないと、せっかくつり合い式までは立てれたのに答えが出ないということに…
高校生の内に数Ⅲの微分・積分の基礎問題はスラスラ解けないと大学に入ってから苦労します。
金属工学
金属工学ではいろんな金属や化合物に関して勉強します。
例えば車のボディは鉄でできていますが、強度を上げるために鉄にいろいろな元素を混ぜています。
他の元素を混ぜると金属の結晶はどのように変化していくのかを勉強します。
鉄に炭素を少々加えると劇的に強くなるんですよ、なんか不思議じゃないですか??笑
自動制御理論
世の中のモノで、自動で動くものは全てこの自動制御理論が使われています。
エアコンのスイッチを入れると適温になるように自動で温度調節してくれますよね、あれはコンピューターが微分、積分を使って勝手に制御をしているからです。
お風呂のボタンを押すと自動でちょうどいい温度のお湯が沸くのも同じですよ!
まさにメカって感じの学問。
電子回路
機械工なのに電子回路もするの?って思うかもしれませんが、電子回路も勉強します。
世の中のモノは機械と電子回路の知識がセットで組み込まれています。だから機械工でも電子回路の基礎までは習うと覚えておいてください。
機械工学科は実習もあるよ!
機械工学科では座学の授業以外にも実習がいくつかあります。
実際に手を動かして機械の知識を学んでいきます。こんな感じ。
- 機械加工実習
- 3DCAD実習・製図実習
- プログラミング実習
機械加工実習
実際に材料をカットしたり穴をあけてみたりする機械加工実習があります。
また金属と金属をつなぎ合わせる溶接実習も行いました。機械工学科らしい専門的な実習ばかりです。
けど、「僕・私は手先が不器用だから、機械工は向いていないんじゃないか。」と心配する必要はありません。なぜなら、手先の器用さではなく、レポートの考察がしっかり書けているかで評価されます。
詳しい内容は、こちらのYouTubeで話しています。
3DCAD実習・製図実習
機械工ではモノを作るための設計図を書く製図という実習も欠かせません。
定規とシャーペンを使ってきれいに線を引き部品の設計図を書いていきます。またこの設計図を書く作業をパソコンでも行い、これをCADと言います。
ボタンを押すと直方体が作れたり穴をあけたりすることができます。最後には車の模型のパーツをCADで作り、最終的に一台の車をPCで作るという実習でした。
プログラミング実習
機械工は、ITのようなプログラミングも勉強します。
情報工学科のように専門ではないので多くはしませんが、プログラミングの基礎や流れは分かるようになります。
機械工学科のイメージ・勉強内容をまとめると
機械工学科は、機械の知識はもちろんのこと電気電子や情報工学科、化学の知識など幅広く勉強します。
そのため機械工学科は、
- 就職に有利
- つぶしが利く
- 職種の幅が広い
とよく言われています。
機械工は化学メーカーにも就職できますし、電気系の会社にも就職できます。なぜなら機械を使わない会社はないからです。
なので、機械や力学に興味があって工学部にしようかなと思っている方は機械工学科をおすすめします。
高校3年生や大学1年生のあなたには、下記の記事が参考になると思いますので、あわせてどうぞ。
就職先で選ぶなら機械工学科がおすすめな理由3選!【工学部で比較】
この記事を読んで少しでも進路選択に役立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。