機械工学科の学生って将来どんな会社に就職する人が多いと思いますか?
「もちろん、機械を作る会社じゃないか!」と思うと思いますが、さらに一歩踏み込んで、具体的にどんな業界が多いのでしょうか?
そこで本記事では機械工学科の就職先や業界について9コ解説していきます。
機械工学科の就職先で悩んでいる現役機械工の方はぜひ見てみてください。
ではまずはざっくり業界の違いから解説していきます。
自動車業界

機械工って言ったら車ってイメージないですか?
実際、自動車業界に就職した友だちたくさんいます。
しかし自動車業界って言っても幅が広いので、こちらの4つに分けて話していきます。
- 自動車業界全体
- エンジン・駆動系
- 車体・外装系
- 電装・内装
自動車業界全体
まずは大元の車本体を作る会社から。トヨタとか日産とかです。
この辺りはあなたも想像しやすいかなと。
しかし世の中の車は、トヨタとかホンダとかの会社だけで車が作られているという訳ではありません。
どういうことかと言うと、車のエンジンだけを作る会社やボディーを作ったりタイヤやシートを作ったりといろいろな会社が取引をしているということです。
自動車部品(エンジン・駆動系)
それでは自動車部品の中のエンジンや駆動系から。
エンジンとか駆動系ってどういうものかと言うと、こんな感じ。
- ガスエンジン本体
- エンジンの点火プラグ
- 排気システムやブレーキ
- トランスミッション(変速機)
つまり、車の心臓部分にあたるエンジンやその周辺の機器を作る会社のことです。数社だけ例を出すと、
- アイシン精機
- デンソー
- 豊田自動織機(とよたじどうしょっき)など
しかしこのようなエンジンや駆動系を作っている会社ってあんまり知らなくないですか?
それは、一般消費者向けに販売をしていない会社、会社と会社の取引しかしていない会社だからです。
※ちなみに会社と会社の取引しかしていない会社のことをBtoBなんて言ったりします。Business to Businessの略です。
逆にトヨタとかホンダは聞いたことがありますよね。それは消費者個人に販売をする会社なので、皆さんなじみ深いからじゃないでしょうか?
車や化粧品や食品のように、個人にモノを売っている会社のことをB to Cと言います。Business to Consumerの略です。
就活のときに、自分が聞いたことある企業のB to Cしか見ないというのはかなりもったいないです。
BtoB企業にも素晴らしい会社がたくさんあります。早い段階でいろんな業界、企業名を知っとくようにしましょう。
自動車部品(車体・外装系)
車体の重量や寸法、材料などを設計する会社も重要です。
かっこいい見た目と燃費のいい車を実現するためには、デザイン性や軽量化などをする必要があるから。
他にも、
- ドアミラー
- LEDヘッドランプ
- タイヤ
など車の外側についているパーツなどがあります。例えばトヨタ車体や日産車体のような会社があります。
自動車部品(電装・内装)
自動車業界最後は、電装パーツに関してです。
- 速度メーター
- エアコン
- カーナビ
- スピーカー
- 制御全般の部品
などを作る企業です。
他にも座席であったりドアロックなど、挙げるとキリがありませんが、車の中についているパーツです。
例えば住友電気工業とかパナソニックなどが有名ですね。
こういった電気系の会社でも機械工なら全然就職しやすいです。
ここまで車関係の会社を紹介しましたが、車業界だけでも数えきれないほど会社があります。気になった業種は一度自分で調べてみてください。
おすすめキーワードは、「車 エンジン会社」とか「車 タイヤ 会社」とかです。
重工系
重工業、特に4重工って言葉を聞いたことがありますか?
重工っていうのは、比較的大きいモノや重たいモノを作ります。
例えば、、、
- 航空機
- ロケット
- 火力発電プラント
- 石油プラント
- 大型船舶・タンカー
などなど社会のインフラになるようなものです。
ちなみに日本の代表的な重工業の会社は4つありまして、それは下記の4つです。
- 三菱重工
- 川崎重工
- IHI
- 住友重機械工業
HⅡAロケットや戦闘機なんかは三菱重工が作っているんですけど、どちらかというと国の事業やインフラなんかに関わっているイメージが大きいです。
航空機業界

機械工出身だと飛行機が好きな人多くないですか?
飛行機関連だと三菱重工や川崎重工、そしてその関連会社などが有名です。
海外の会社では、ボーイングやエアバスです。
自動車業界は関連会社がたくさんあったように、飛行機関連も同じで、
- エンジンを作ったり、
- 翼を作ったり、
- コックピットの電装など
いろいろな会社が存在します。
造船系
日本の貿易のほとんど9割以上は船によって行われています。
もちろん多少飛行機の場合もありますが、船は1度に大量の貨物を運べるとなると、コスパがいいからです。

しかも日本は島国ですし、船に貿易を頼っていますよね。
機械工は船を作る会社に入る人もいます。
有名どころだと三菱造船や三井造船、今治造船などです。
船も4重工が絡んでいる会社が多いですね。
今のところ、車、重工、飛行機、船ときましたが、次はプラント業界について説明します。
プラント業界
プラントって何かというと、工場設備を作るような会社のことです。
例えば、火力プラントでは火力発電を行うための工場設備全般を作ります。
有名どころでは三菱重工です。
ほかにも水処理プラント。下水や上水などありますが、水処理全般の装置や工場を作ります。
栗田工業が有名です。
他にも新日鉄住金や神戸製鋼所などは、鉄鋼系のプラントを作っています。
日揮という会社は、海外で石油プラントや化学プラント、天然ガスプラントなどを作っています。
「機械工 プラント業界」なんかのキーワードで調べてみてください。
工作機械
工作機械とは、機械を作る機械を作る会社のことです。ちょっとややこしいですよね(笑)。
何か製品を作る時は金属などを
- 切断したり
- 伸ばしたり
- 押しつぶしたり
- 研磨したり
- 叩いたり
してモノを作ります。
モノを加工するときは旋盤やフライス盤というようなものを使って加工します。
そういった旋盤やフライス盤などを作る会社のことです。
数値制御で自動で動くNC加工が主流です。
例えばアマダホールディングスや村田機械、オークマなどがあります。
「工作機械やNC装置」などでググるといろいろと情報が出てきますよ。
建機・農機業界
建設業界はイメージしやすいと思うんですけど、下記のような工事するときに使う重機などのことです。
- ショベルカー
- トラクター
- クレーン
ちなみに建設機械は景気を映す鏡なんて言われたりもしています。
建設機械業界に仕事が多い、つまり新しい建物などを作ったり税金で道路を工事したりしているということは景気がいいということを表しています。
実際、東京オリンピックに向けて新しい建物を作る需要が増えた時は、建設業界は景気が良かったです。
建設業界と少し似ていますが、農業機械というジャンルです。
主にトラクターやコンバインなど、畑や田んぼ仕事で使う機械のことです。クボタが有名ですね。
また最近は、建設業界も農業機械もどちらとも完全自動化が進んでいます。
人乗っていなくても勝手に機械が働いてくれます。
興味がある人は「建設機械」や「農業機械」って調べてみてください。
産業用ロボット
次は産業用ロボットです。
いわゆる多関節ロボットなどがイメージしやすいと思います。
ファナックなんかが有名です。
ベアリング業界
ベアリングってどんな部品なのか知っていますか?
ベアリングは別名軸受けでして、極力摩擦を減らしつつ回転する軸を支えるという大事な部品です。
回転している部品には必ずベアリングが入っています。
もちろん車や飛行機、船やショベルカートラクター、何にでもベアリングは使われています。
ベアリング業界で有名なのは日本精工やジェイテクトNTNなんですけど、ベアリング会社がなくなってしまったら、日本の機械メーカーのほとんどはモノが作れなくなります。
そのくらいベアリングっていのはどの製品にも必要でして、機械産業の米って呼ばれています。
機械工の主な就職先業種まとめ:思っている以上に会社は多い
以上で、機械工学科の主な就職先の業種と会社紹介を終わります。
もう一度まとめるとこんな感じでした。
- 自動車業界
- 重工系
- 航空機業界
- 造船系
- プラント業界
- 工作機械
- 建設機械
- 産業用ロボット
- ベアリング
あなたが思っている以上に会社は多いです。
ぜひ能動的に会社情報を調べてみてください。
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以上、ありがとうございました。