この記事では、
- 工学部のどこかに進学しよう
- どの学科が一番就職いいの?
- 機械工って就職のつぶしが利くの?
と疑問や不安を抱えている理系高校生やその親御さんに向けて記事を書きました。
僕はいま国立大学の機械系大学院に所属しており、大学の4年間も機械工学を学んでいたのでより正確な情報をお届けできます。
(※2021年4月よりエンジンメーカー開発部で働き始めました。)
他のネットの記事には書いていない、機械工学科に所属していた学生だからこそ分かる経験談を超丁寧に詳しく解説します。
ぜひこの記事を読んで進路選択に役立ててください。
工学部では学科によって就職率、就職先が全然違う
進学する学科によって就職率や就職先は大きく異なります。(これはイメージしやすいかと思います。)
それでは、例として岡山大学工学部の就職先を見てみましょう。
学科によって、業種がかなり偏っていますね。
会社名を詳しく見たい方はリンク先から岡山大学のHPをチェックしてみてください。
それでは機械系学科はどのようなところに就職しているのか、
そして工学部の中で機械工学科の就職先が豊富である理由を考えていきます。
(※以下は筆者の考えであり必ずしもそうとは限りませんので参考程度に聞いていただきたいです。)
工学部の中で機械工学科が最も就職に優れている3つの理由
工学部の中で機械工学科が最も就職に優れている理由を3つあげました。
- 機械を使わない会社はないからどの会社も機械系の人材が欲しい
- 幅広い分野の勉強をするのでどんな業種にも対応できる
- 暗記科目よりも計算科目が多くネットに書いていないような知識を習得できる
"ん??"となった項目からチェックしていきましょう。
機械を使わない会社はないからどの会社も機械系の人材が欲しい
全ての業界で機械系の学生は重宝されます。なぜなら、どんな業種の会社でも必ず「機械」を利用して製品を生産するからです。
- 機械系メーカー:車やバイク
- 化学メーカー:化学製品を作る機械や測定・検査装置など
- 食品メーカー:ビール会社やパン製造会社(製造工程はすべて機械)
- 建設メーカー:重機や製図の知識を持った機械系の人が必要。
家電や電子部品メーカーのような電気電子系でもハードウェアを作るのには機械が必要です。(パソコンやカメラの中身は電気電子系学科が作りますが、外側は機械系学科の人が作ります。)
じゃあIT系の情報学科はプログラミングさえできればよくねと言われそうですが、実は機械工学科はプログラミングも勉強します。
つまり、どんな会社でも必ず「機械」を利用して製品を生産するので、全ての業界で機械系の学生は重宝されるということが言えます。
機械系だと食品会社にも行けますが、生物系が自動車メーカーに入るのは難しいですよね。
数学的に言うと、「機械系ならば生物系の会社にも就職できる」は十分条件ということになります。笑
もちろん、自分の研究とは全く異なる会社に就職できる人もいます。
学生生活でたくさんの経験をしていたり成績がよかったりすれば、個人の実力で希望の会社に行くことも可能です。
こちらは、僕のブロガー仲間のなすびさんの記事です。化学専攻の大学院生でしたが、大手自動車メーカーの技術職に就職しています。よかったらどうぞ!
周りに合わせてたら遅い?大学院生が就活前にやっておくべきこと【まとめ】
幅広い分野の勉強をするのでどんな業種にも対応できる
機械工学科では幅広い分野の勉強をするので、どんな業種の仕事でも対応できるということが利点として考えられます。具体的に見ていきましょう。
機械工学科では、
- 材料力学、流体力学のような力学
- 電気系の勉強である電子回路や半導体
- プログラミングも(と言ってもC言語レベルなので基礎までですが)
つまり、幅広く工学の知識を身に着けることができます。幅広い知識を持った人って、様々な業種の会社で必要な人材になれますよね。
つまり、機械系学科はいわゆるT字型の勉強を行います。
↓の図のように機械系学科は、
- 1つの深い専門性
- 他学科の知識
- 英語力
- コミュニケーション力
のように幅広い知識を兼ねそろえたT字型スキルが身に付きやすい学科です。
機械工学科はT字型スキルを身に着けやすいためどんな業種でも対応しやすい、結果として就職先が広いということが言えます。
上図にもある通り、英語が得意な理系はかなり就活で有利です。
日常英会話できる理系は収入が高くなる理由は、下記のおりび新ブログでまとめていますのでぜひ。
>>【英語話せる5つのメリット!】理系で英語話せたらお金稼げる!
機械工は暗記科目よりも計算科目が多く、ネットに書いていないような知識を習得できる
これは個人的な意見ですが、暗記科目が多い学科よりも計算科目が多い学科の方が就職に有利だと考えています。
理由は簡単。暗記科目の勉強内容よりも計算科目の勉強内容の方が仕事でよく使い、さらにネットで調べても書いていない内容だからです。
暗記教科もある程度は重要ですが、会社に入ってその暗記科目の内容を忘れていても教科書見直したりネットや論文から調べれば問題ありません。
暗記科目と比べて計算科目では論理的な思考プロセスが身につくことができ、この思考プロセスが会社に入ってから大いに役に立ちます。具体例を見ていきましょう⇩
薬品Aと薬品Bを混ぜると薬品Cができるということを暗記して勉強したとします。もし薬品Aと薬品Bを混ぜるとどの薬品ができるか忘れたとしても調べればすぐ出てくるので問題ありません。
しかし計算科目の場合ではどうでしょう?例として機械工学科で習う材料力学のはりのたわみ問題をみてみます。
簡単な積分を解くことによって、先端の点Aに力を加えると壊れやすいということが分かるようになります。
- どこに力を加えるとモノが壊れてしまうか
- どこに力が加わっても壊れにくいモノを作れるか
という知識は非常に重要であり、暗記科目のようにネットで調べてもすぐには出てこない知識です。
暗記科目は忘れても調べればすぐ解決しますが、↑の例のように計算問題を解くことによって得られた「モノが壊れないように設計する知識」はなかなか調べても書いておらず、機械系以外の人はすぐには解決できません。
ちなみに機械系学科の科目の90%以上は計算を伴う問題が占めています。
ですのでネットには書いていない計算でしか得られない知識が身につくことが機械系学科の強みだと考えています。
結果として計算科目の多い機械系学科は就職に有利です。
工学部から技術職ではなく、教職課程に進んでみたいという方は、こちらのきゃべブログさんの記事が参考になるかと思いますのでぜひ。
機械工学科の就職先がいい理由をまとめると…
- 機械を使わない会社はないからどの会社も機械系の人材が欲しい
- 幅広い分野の勉強をするのでどんな業種にも対応できる
- 暗記科目よりも計算科目が多くネットに書いていないような知識を習得できる
もしもあなたが高校生なら、少しでも機械工に興味を持っていただけて進路選択に役立ったら嬉しく思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。