この記事を読んでくれているあなたは、
◆材料力学が苦手。
◆はりの集中荷重の問題の解き方が分からない。
◆SFD、BMDが書けない。
という悩みを抱えていませんか?
この記事では、図解多めで集中荷重のはりの問題を丁寧に解説しています。
はりの問題全然わからないという方でも、20分で理解できるように丁寧な解説を作りました。
では、材料力学の勉強スタートです!
ちなみに今回解説する問題は、教科書「改訂新版 図解でわかるはじめての材料力学」の演習問題です。
YouTubeでも解説動画ありますのでぜひ。
材料力学のはりの問題って?
材料力学のはりの問題は、どこの大学でも期末試験で頻出の範囲ですよね。
よく出る割に、せん断力や曲げモーメントの求め方が分かりにくい、上向きを正にしたらいいのか下向きを正にしたらいいのかわからないというような悩みを抱えている方がいると思います。
材料力学の中でも、はりの問題は考え方が理解できれば難しい公式もないので得点源にすることができます。
ぜひ一緒に頑張ってはりの問題を理解していきましょう。
材料力学のはりの問題の解き方(集中荷重)
まずは↑のよう2つの集中荷重がかかる片持ち梁の問題の解き方をステップ毎に解説します。 初めに4つの重要ポイントをまとめました。この4つの手順に従って解説していきます。 もし迷ったら、この4つの重要事項を何度も見直してみてください。
①板の左端を原点として、右向き正の軸[m]をとる
②区間ごとに場合分けする
③刀で板を切って仮想的な断面を作る
④仮想的な断面の✖
印にかかる力とモーメントを考えるこの4ステップの順番通りにすれば、はりの問題は必ず解けます。 それでは、実際に考えていきましょう!
はりの集中荷重を解く時のステップ①:右向き正の軸[m]をとる
まずは、板の左端を原点として、右向き正の軸[m]をとりましょう。
※板の右端を原点として、左向きを正としても解けるには解けますが、考えにくいので右向き正をおすすめします。
はりの集中荷重を解く時のステップ②:区間ごとに場合分けする
区間ごとに場合分けして力とモーメントを考えるということが非常に重要です。
じゃあ、どの区間で場合分けするの?
と、疑問に感じると思います。結論からいうと、
★板の荷重がかかる場所ごとに場合分けします
では、今回の問題ではどこで場合分けするでしょうか?ヒントは2つの区間に場合分けして考えます。
今回の問題では、 0 1と、1 の2つの区間で場合分けしましょう。
はりの集中荷重を解く時のステップ③:刀で板を切って仮想的な断面を作る
それではまずは、0 1 の間の好きなところを刀で切り、仮想断面の✖印にかかる力とモーメントを考えていきましょう。
※仮想断面の✖印とは刀で切った切り口を表します。
仮想的に刀で切ると、↑のような図になりますね!必ず自分で図示できるようにしましょう!
はりの集中荷重を解く時のステップ④:仮想断面の✖印にかかる力とモーメントを考える
それではついに最終ステップです。ステップ4での重要ポイントをまとめました。
・✖印より右側はないものと考える
・板には集中荷重が加わっているが全く動かない(回転しない)ものと考える
・✖印にかかる力とモーメントを考える
✖印より右側は物体がなくなったと考えてください。いいですか、✖印より右側のことは考えてはいけません、忘れてください笑
そして、板の左端には集中荷重 が加わっていますが、全く動かない(回転しない)ものと考えてください。
ここが混乱ポイントですが、集中荷重が加わっているにも関わらず板がなぜ全く動かないかを考えましょう。
答えは、集中荷重による力と✖印周りのモーメントを打ち消し合う力・モーメントが✖印に発生しているからです。
✖印にかかる力・モーメントを点線で表してみました。
点Aにかかる集中荷重とちょうど反対向きになっていることに注意してください。
ここで、符号に関する重要ポイントを説明します。
・縦軸は下向きが正
・モーメントは反時計回りを正
大多数の材料力学の教科書は↑のように符号を定めているので、僕も軸は下向きが正、モーメントは反時計回りを正で考えていきます。
※余談ですが、重力が下向きに働いているので軸は下向きが正の方が都合がいいそうです。
それでは、点線で表した✖印にかかる力・モーメントは具体的にはいくらの値でしょうか?符号に気を付けて考えてみましょう。
点線で表した✖印にかかる力= [N]
点線で表した✖印にかかるモーメント=力×距離= [Nm]
になりますね!ここまで問題ないですか?
✖印にかかる力が上向きなら符号はマイナスというのはすぐ分かると思うのですが、モーメントの符号は分かりにくいですよね。
そこで直感的に理解できる簡単な方法をご紹介します。
下向きにたわむ→マイナスはがっかり
この右側のイラストで覚えてしまいましょう。
[ⅰ] 0 1 のとき、
せん断力 [N] ・・・(1)
曲げモーメント [Nm]・・・(2)
1 も同様に解いてみよう
それでは、1 の範囲も同じように考えて解いていきましょう。
1 の間を刀で切ると、仮想断面の✖印にかかる力・モーメントは下図のようになります。
力とモーメントが2つずつあるので複雑に見えますが、考え方は先ほどと全く同じですのでゆっくり考えてみてください。
[ⅱ] 1 のとき、
せん断力 [N]・・・(3)
曲げモーメント [Nm]・・・(4)
分かってきたでしょうか?
それでは次に、材料力学のはりの問題のメインであるSFDとBMDのグラフを書いていきます!
材料力学のはりの問題のメイン:SFDとBMDグラフを書こう!
SFDとBMDとは
SFDとBMDという言葉を聞いたことあるでしょうか?
SFDとはせん断力線図(shearing force diagram)、BMDとは曲げモーメント線図(bending moment diagram)のことです。
SFDは板の距離と力のグラフ、BMDは板と距離とモーメントのグラフと理解しておいてください。
SFDのグラフの書き方
SFDのグラフを書く時のポイントをまとめました。
・横軸は原点からの距離[m]
・縦軸はせん断力[N] (上向き正)
横軸は原点からの距離、縦軸はせん断力としてください。
そこで注意点ですが、縦軸は上向きを正としてください。
縦軸を下向き正にしてもいいのですが、普段と見慣れないグラフになって不便ですので上向き正をおすすめします。
↑のグラフの赤線がSFDのグラフです。
[ⅰ] 0 1 のとき、
せん断力 [N] ・・・(1)
[ⅱ] 1 のとき、
せん断力 [N]・・・(3)
式(1),(3)を素直にグラフにしていけばSFDはおしまいです。
点C(x=1)で不連続になることに気を付けてください。
では、続いてBMDも書いていきましょう。SFDができたらBMDも簡単です。
BMDのグラフの書き方
横軸は原点からの距離、縦軸は曲げモーメントとしてください。
そこでSFDと同じ注意点ですが、縦軸は上向きを正としてください。
先ほどと同じで、縦軸は上向き正の方が分かりやすいです。
[ⅰ] 0 1 のとき、
曲げモーメント [Nm]・・・(2)
[ⅱ] 1 のとき、
曲げモーメント [Nm]・・・(4)
BMDもSFDと同じ考え方で、式(2),(4)を素直にグラフにしていけばBMDはおしまいです。
点C(=1)で連続になることに気を付けてください。
2つの赤線の傾きは2倍異なることに注意してください。
材料力学のはりの問題まとめ
材料力学のはりの集中荷重は理解できたでしょうか?
何度も復習して頑張っていきましょう!
また材料力学を勉強する上でおすすめの参考書を2冊ご用意しました。
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また、解説してほしい材料力学の問題がありましたらFollow @OribiStudyのDMでご連絡ください。ありがとうございました。