もし、「気になる研究室がある!」という方は研究室訪問を考えているでしょう。
しかし、研究室訪問での問題が1つ。
その問題は、「何を質問したらいいのか分からないということ。」
本記事では、研究室訪問で先生にするべき質問を13コにまとめました。
(前半で研究内容に関する質問7コ、後半で研究室の雰囲気に関する質問6コに分けてまとめています。)
研究室歴3年の経験談です!しっかり情報を知って周りより1歩リード!
それでは詳しく見ていきましょう。
研究室訪問したらまずは研究について質問しよう
具体的には下記の7つです。気になるところからご覧ください。
- 研究内容を聞く
- ゼミ(雑誌会)は週に何回あるのか
- 企業と共同研究をしているか
- 研究スタイル・方針について
- 学会に行くか
- 就活や院試勉強中は研究を休めるか
- 卒業研究はいつから始まるか
研究内容に関して詳しく聞いてみる
研究室訪問しても、先生と話をするのって緊張しますよね。
そこで研究室訪問したら最初に、研究内容を聞いて場をだんだんと温めていきましょう。
自分の研究内容に関して聞かれて嫌な顔をする先生はいないと思うので、リラックスして話を!
大抵の先生は楽しそうに研究内容を話してくれると思いますよ。
しかし先生に研究内容を聞く時には1つだけ注意点が…それは、予習なしの無知すぎる質問はしないということ。
例えば、車のエンジンについての研究ということは公表されているのに、「ディーゼルエンジンってどんなのですか?」のような無知丸出しの質問は避けましょう。
15分でいいので、研究内容に関する言葉は事前にググろう。
ゼミ(雑誌会)は週に何回あるのか
週に何回ゼミがあるのかを質問してみましょう。研究室に入るとゼミ(別名、雑誌会)があります。
ゼミでは、
- 研究に関連する教科書や論文を紹介
- 研究の進捗発表
- 研究発表のプレゼン練習
などをします。
僕の研究室では、毎週1回(1時間程度)ゼミがあります。
ゼミの頻度を聞いて、毎週2回以上と言われたら黄色信号な研究室かもしれません。
英語の論文を毎週読むのは本当に疲れますよ…笑
企業と共同研究をしているか
研究室訪問に行ったら、企業と共同研究をしているのか質問してみましょう。
企業との共同研究はかっこよく聞こえますが、僕は共同研究をしている研究室には否定的です。
なぜなら、共同研究をすると実験結果をせかされ学生の負担が大きくなるからです。
自分の会社だけで研究すればいいのに、なぜ企業は大学と共同研究をしたがるのか分かりますか?
答えは簡単で、自分の会社にはない実験装置が大学にはあり、それを使いたいから企業は共同研究をしたがります。
会社はお金たくさんあるんだから買えばいいじゃんと思うかもしれませんが、たまにしか使わない実験装置を所有していると固定資産税がかかります。
結果として大学にお金を払って研究した方がコスパがいいのでしょう。企業はお金を払っているので、実験結果をせかしたくなりますよね。
共同研究する学生には責任と重圧がのしかかります。
もう数か月もしたら研究室に入る予定の方におすすめ記事はこちら↓
>>研究室で使える便利グッズ20選!研究室歴3年の理系院生が教えます - おりびのブログ
研究方針について(チームで研究を進めるのか個人で研究を進めるのか)
研究室訪問したら、必ず研究の進め方について尋ねましょう。研究の進め方というのは具体的に言うと、下記の2つに分かれます。
- チームで研究を進めるタイプ
- 個人で独立して研究を進めるタイプ
あなたの入りたい研究室が①のタイプなのか②のタイプなのかということは非常に重要です。
なぜなら、①と②は研究スタイルが全く正反対なので自分に合わないタイプを選択してしまうと、後々かなり後悔するからです。
①のチームで研究を進めるタイプとは、何か1つのモノを作るのに学生みんなで分担して作業をするというスタイルです。
①の例ですが、、、
- A君は薬品Xを試験管に入れて振る係
- Bさんは薬品Yを試験管に入れて振る係
- C君はそれらの薬品の性能を検査する係
このように分担作業で研究を行うので、誰か1人でもサボると研究が進まず皆困ってしまいます。
逆に、自分は早く作業が終わっても他の人のスピードに合わせないといけないので時間差が生まれます。
対して②の例ですが、、、
A君は薬品Xと薬品Yを試験管に入れて振り続け、そのあと同じくA君が薬品の性能を検査するというスタイルです。
②の例だと全部1人で実験を行うので一見しんどそうに見えますが、僕は②の実験スタイルの研究室を推奨します。
なぜなら、②のスタイルでは自分で実験のスケジュールを調整できるので、自由に休みを取ることができるからです。
例えば、9月・10月はたくさん実験を詰め込んでいっきに卒論データを入手し、11月~は一切実験せず卒論を書くことに専念するということだって可能です。
- 自分でスケジュールを決めたい
- 休みを自分で決めたい
- 周りに影響されず自ら実験内容を決めて研究を進めたい
という人は②が向いています。
逆に、
- 自分で実験スケジュールを組むのが苦手
- 1人ではついサボり癖が出る
- 卒論間近になったら焦りそう
と思う方は①の研究スタイルが向いています。
(※将来、技術系の仕事に就きたいなら、②の研究スタイルに慣れておくことを推奨します。①よりも②ができる人は重宝されるので。)
学会に行くかどうか(国内学会or国際学会)
研究室訪問をしたら学会に行くかどうかを聞いてみましょう。
(学会とは、全国や世界であなたと同じような研究をしている人が集まって発表し合う会のこと。)
学会に行くという事はそれなりに研究をしていて実績があるということです。
また、ほとんどの学会は日本国内ですが、まれに外国で行われる国際学会に参加する研究室もあります。(もちろん英語で発表ですよ。)
国際発表ができると就活で武器になりますし、その研究室は結構な実績があり、いい研究室とみなしてもいいと思います。(※参考↓)
>>【就活のがくちかで無双する】理系なら英語論文・国際学会で勝負するべき話 - おりびのブログ
逆に、全く学会に行っていないと言われたらちょっと危険です。研究実績がないので、卒論前などは苦労を強いられる可能性が高いかも。
就活や院試勉強中は研究を休んでも大丈夫か
就活時や大学院試験の勉強期間は研究を休んでもいいか聞いておきましょう。
就活中は毎週のごとく、東京や大阪などに面接を受けに行くので、なかなかまとまった研究する時間が取れません。
また大学院試験のテスト前も2〜3ヶ月は研究を停止して勉強に専念した方がいいです。
しかし先生によっては、就活中や院試勉強中でも研究しろと言ってくる人も…
就活中や院試勉強期間は研究を止めてもらえる先生を選びましょう。
卒業研究はいつから始まるか
研究室訪問したら、いつから卒業研究が始まるか聞いておきましょう。
大学4年生の4月から研究を始めるという先生もいれば、前半は勉強会ばかりで、9月ぐらいから本格的に研究を始めるという先生もいます。
先生によって研究の忙しさも変わってくるので、いつから卒業研究が本格的に始まるのか聞いておきましょう。
ちなみに僕は、卒業するM2の先輩から実験装置の使い方を教えてもらうために、3月(春休み)から研究がスタートしました。
しかし早くから実験を始めたため、12月には必要なデータもそろい卒論も余裕をもって提出できました。
研究室訪問したら、研究室の雰囲気に関して質問しよう
先ほどまでは研究に関しての質問でした。
次は、研究室の雰囲気を尋ねる質問をしましょう。具体的には下記の6つです。
- 研究室の配属人数
- 大学院へ進学する先輩の人数
- コアタイムについて
- 先輩の就職先について
- 研究室と実験室の場所、環境を確認
- 備品(特に机やパソコン)について
研究室の配属人数(内部生、外部生、留学生の割合)
研究室の配属人数は事前に聞いておきましょう。
具体的には、
- 内部生(学部と大学院での大学が同じ)
- 外部生(学部と大学院での大学が異なる)
- 留学生
の人数を聞きましょう。
直属の先輩は何人になるのか、留学生はいるのかは大事。
大学院へ進学する先輩の人数
もしあなたが大学院へ進学しようと考えているなら、その研究室の大学院へ進学する先輩の数も確認しておきましょう。
たくさん大学院へ進学する先輩がいたら、院試の過去問がもらえたり卒論のアドバイスをもらったりできて心強いですよね!
逆に、大学院へ行こうと考えているのに進学率が低いと苦労します。自分の進路に合った研究室を選びましょう。
大学院に進学するメリットは、こちらでまとめていますのでぜひ。
【大学院生とは?】大学生と大学院生の違いやメリット&デメリットを解説!
コアタイムについて先生はどう考えているか
皆さんはコアタイムというものをご存知ですか?コアタイムとは、研究室にいないといけない時間帯を指します。
多くは9時-17時で設定されているところが多いです。
研究室訪問したら、コアタイムがあるか、コアタイムについてどう思っているのか聞いてみましょう。
コアタイムのある無しによって研究室にいる時間も変わってくるので、どちらが自分に合っているか見直そう。
コアタイムの説明はこちらで解説しています。
>>研究室のコアタイムはある方がいいか、ない方がいいのか徹底的に解説します
卒業生の先輩の就職先について
皆さんの関心が強いのは、やはり卒業生の就職先ですよね。
- 大企業に就職している先輩が多いのか
- どんな職種に就職した先輩が多いのか
- 何社くらい面接を受けたか
はしっかりと聞いておきましょう。
例えば、車のエンジン関係の研究室は毎年自動車会社に就職している先輩が多いということが分かると参考になりますね。
ざっくり過去5年前までの情報は入手しておこう!
研究室と実験室の場所、実験環境を確認しよう
研究室と実験室の場所、そして実験室の環境を確認することは非常に大切です。
もし3年生までのキャンパスと、研究室がある場所が異なると移動がかなり大変ですよ。(稀ですが…)
また研究室と実験室が異なる建物にある場合は一旦外に出ないといけません。
雨が降っているとかなり面倒ですので、実験室が同じ建物か、できれば研究室の隣にあるといいでしょう。
そしてさらに重要なことは、実験環境を確認するということ。
例えばポンプの性能実験をするとして、わざと部屋の温度を変えずに実験するパターンです。
変に部屋の温度を変えると、結果に悪影響を及ぼすので夏場でもクーラーなしで無風の部屋で実験しないといけないかもしれません。
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実験室が広いのか、涼しいのか暑いのかは意外と知らない盲点。
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研究室の備品(特に机やパソコン)について尋ねる
貸してくれる研究室の備品についても先生に尋ねてみましょう。
具体的には以下。
・1人1つ自分の机があるか
・1人1つ自分のパソコンがあるか
・PCモニターを貸してくれるか
人数が多い研究室ですと、1人1つ自分の机がないかもしれません。机がないと落ち着きませんしかなり不便です。
また1人一つデスクトップPCを貸してくれる研究室はいいですよね。研究用のPCはノートPCではなくデスクトップPCでないと性能が追いつかないことも。
また1人2つのPCモニターを貸してくれる研究室はかなり優良物件です。
研究室訪問をして場が盛り上がってきた頃、「ちなみに机やパソコンって1人1つ貸してくれるんですか?」と聞いてみましょう。
研究室訪問の質問まとめ
今回は研究室を訪問した時に先生に質問した方がいい内容をまとめました。
研究内容と研究室の雰囲気について分けています。
- 研究内容を聞く
- ゼミ(雑誌会)は週に何回あるのか
- 企業と共同研究をしているか
- 研究スタイル・方針について
- 学会に行くか
- 就活や院試勉強中は研究を休めるか
- 卒業研究はいつから始まるか
- 研究室の配属人数
- 大学院へ進学する先輩の人数
- コアタイムについて
- 先輩の就職先について
- 研究室と実験室の場所、環境を確認
- 備品(特に机やパソコン)について
今回は研究室訪問をした時に先生に質問するべき内容をまとめましたが、学生への質問もまとめています。下記をどうぞ。
以上、ありがとうございました。研究室選びの参考になれば幸いです。