この記事は、
◆材料力学が苦手。
◆不静定問題の解き方が分からない。
◆テーパー棒の問題は見るのも嫌。
というあなた向けの内容です。
テーパー棒の不静定問題が初心者でも解けるよう、3DCADなどを用いた分かりやすい図解を多く使って解説しています、ぜひご覧ください。
材料力学の不静定問題
材料力学の不静定問題とは、力のつり合い式だけでは解くことができず、変形量を考えなければ解けない問題のことです。
材料力学といったら不静定問題というぐらい代表的な問題ですので、しっかりと勉強していきましょう。
テーパー棒に関する典型的な材料力学の不静定問題
今回はテーパー棒と壁が登場する典型的な材料力学の不静定問題の解き方を解説します。
今日紹介する問題はこちらです↓
(1)左端の反力の大きさをを用いて表せ
(2)テーパー棒に発生する最大応力はいくらか?
この問題は、力のつり合いだけでは解けないので不静定問題になりますね。
問題文だけではイメージがしづらいので、立体図を用意しました。
まずはイメージを頭の中に作りましょう。
テーパー棒とはこんな感じの棒です。
まっすぐな円柱ではなく、だんだんと直径が変わるような棒です。
そしてこのテーパー棒の直径は線型的に(1次関数的に)変化していくことを頭に入れておいてください。
続いてこの棒を無理なく剛体壁に挟みました。(※この時点で応力は発生していないという意味です。)
真正面から見た図にして、もう一度寸法を確認しておきます。
今回も例のごとくステップ毎に解説していきます!
テーパー棒の問題を解く5つのステップ
②位置における直径を求める。
③位置における断面積を求める。
④AC区間、BC区間の変形量とを求める。
⑤との和を考える。
テーパー棒の問題は全て、この5つの手順通り行えば必ず解くことができます。
それでは材料力学を勉強していきましょう。
テーパー棒の不静定問題を解くステップ①:反力を仮定し、力のつり合い式を立てる
ステップ①は簡単ですね。先ほどの正面図を見ながら、右向きの矢印を正としてつり合いの式を立てましょう。
次のような式になります。
続いてステップ②に行きます!
正直、このステップ②の位置における直径を求めるという内容が、テーパー棒の問題を解く上で最も肝心です。
注意深く見ていきましょう。
テーパー棒の不静定問題を解くステップ②:位置における直径を求める
いきなり位置における直径を求めろと言われても分からないですよね。
そこでまずは、このテーパー棒の長さを軸に、直径を軸としたグラフを書いてみましょう。
下のようになりますね。
先ほども言いましたが、このテーパー棒の直径は線型的に(1次関数的に)変化していくことをもう一度頭に入れておいてください。
上の1次関数のグラフを式で書くとどうなるでしょうか?
切片はになりますよね。
これでステップ②はおしまいです。
続いてステップ③では断面積を求めていきましょう。
テーパー棒の不静定問題を解くステップ③:位置における断面積を求める
断面積より、先ほどの式を代入すると、
ただ代入しただけなので、ステップ③は簡単でしたね。
続いてステップ④に入りますが、少々式が長くなります。
テーパー棒の不静定問題を解くステップ④:AC区間、BC区間の変形量とを求める
ステップ④では、AC区間、BC区間の変形量とを求めていきます。
いっきに大学内容っぽくなってきましたね。
さあ皆さん、変形量の式を覚えているでしょうか?
↑のような式ですね。
AC区間に生じる内力は、BC区間に生じる内力はですよね。
もし内力の求め方がすぐ分からなかったら、こちらから復習しましょう。
仮想断面に生じる内力が分かるようになりましょう!
いきなりAC区間の変形量を求める前にAC区間の微小変形量を求めましょう。
の式の"長さ"がに変わったと考えると、、、
となります。この両辺を積分してを求めましょう!
AC区間の積分範囲はということに注意してください。
また、途中式の積分計算は自分で頑張ってみてくださいw
同様に考えて、BC区間の変形量を求めましょう。
内力と積分範囲が異なることに気を付けましょう。
BC区間の積分範囲はです。
これでステップ④は終了です。
積分計算が少しややこしいですね。
テーパー棒の不静定問題を解くステップ⑤:との和を考える
まずは↓の図を見てください。
もし剛体壁がなかった場合、だけ伸びますよね。
しかし実際は剛体壁が抑え込むため元の長さのままです。
ですので、次のような関係式が成り立ちます。
↑の式に先ほど計算したとを代入しましょう。
そうすると、、、
つまり、(1)の答えはになります。
ついでに(2)の最大応力の問題も解いていきましょう。
面積最小の位置で応力は最大になるので、を考えましょう。
位置つまりAC区間を考えましたが、一応念のためBC区間も応力の計算をしてみましょう。
BC区間で最も断面積が小さいのは位置なので、、、
つまり、はマイナスなので、圧縮応力が発生しているということですね。
と大きさを比較してみましょう。(絶対値を付けて比較してみましょう。)
より、位置で最大応力が得られます。
材料力学のテーパー棒の問題まとめ
を使ったり、積分計算するところは単純ですので分かりやすいかと思います。
しかし、テーパー棒の問題で一番難しいのは直径と断面積をを使って表すところだと思います。
そこだけ乗り越えれば後は簡単ですので、何度も復習して解けるようにしましょう。
不静定問題以外のもはりやねじりの問題も解説していますのでよかったらどうぞ!
また、解説してほしい材料力学の問題がありましたらFollow @OribiStudyのDMでご連絡ください。ありがとうございました。